GMPとは

GMPとは?

GMPはGood Manufacturing Practiceの略で、適正製造規範と訳されていますが、製造管理と品質管理と言ったほうがより明確です。GMPは医薬品の有効性と安全性を確保するための品質管理方法として国際的に用いられています。

GMPの対象は?

GMPは主にサプリメントの品質確保のために求められています。それは以下によります。

健康食品は医薬品的な形状である錠剤やカプセル剤等(以下、サプリメントという。)の形状をとることが多く、その本来の目的は、生理学的機能を介して、人の健康の維持・増進に寄与することです。

サプリメントに使用される原材料の多くは、天然由来の抽出物を用いて、さらに分画、精製、濃縮、乾燥、化学的合成等により本来天然に存在するものと成分割合が異なっているものや化学的合成品です。一言でいえば、天然物を高度に濃縮した原材料が用いられる事が多く、その濃縮の工程において、有用成分だけでなく、有害な成分も濃縮される可能性もあります。また、サプリメントは過剰摂取しやすいため、健康被害が起きやすいということもできます。

安全性が確認された原材料を用い、製剤設計された通りの製品が間違いなく製造され、その製造工程においてはいかなるコンタミネーション(交差汚染)も生じないことや、出来上がった製品が均質であり、賞味期間にわたり一定の品質が維持されることなどが保証されていなければなりません。こうした様々な、且つ高度な要件を満たし、消費者が安心して摂取できるサプリメントを供給するためには、医薬品を参考にしたGMPによって製造と品質の管理をすることが求められています。

GMPの3原則

GMPには以下の3原則があり、原材料の受け入れから、最終製品の出荷に至る全ての工程において、この3原則を満たすように、ソフトとハードの両面から徹底した管理がなされています。

・ 人為的な誤りの防止

・ 人為的な誤り以外の要因による製品そのものの汚染及び品質低下の防止

・ 全工程を通した一定の品質確保


尚、最終製品だけでなく、原材料の製造においても、また輸入される原材料や最終製品(サプリメント等)にもGMPを適用することが望ましいとされています。そのため、JIHFSはこれらすべてに対するGMP認証規範を用意しています。

日本ではいつからGMPが求められたか?

日本では2005年2月に厚生労働省がはじめて健康食品のためのGMPガイドラインを公表しました(「平成17年通知」として知られる)。そして、2024年3月に、これを見直した新たな指針(「令和6年311通知」として知られる)が公表され、GMPによる管理の実効性を上げる努力が事業者に求められています。

GMPは食品の中で安全性の観点から特別の注意を要する原材料及びこれを使用した食品を国が指定し(「指定成分等含有食品」という。)、これについてはGMP管理下で食品の製造をすることが義務付けられています。

また、錠剤型の紅麹含有機能性表示食品による重篤な健康被害が発現したことを踏まえ、サプリメント形状の機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)に対して、2024年9月からGMPが義務化されました。
しかし、その他のサプリメントに関しては、GMPによる製造と品質管理はまだ任意となっています。一方、米国、EU、ASEAN等、海外ではサプリメントのための法律に基づいてGMPが義務化されている国が多く、国際的な観点からも、サプリメントに対するGMPの要求は高くなってきています。

GMPの担当省庁はどこ?

機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)に対するGMP査察は消費者庁の管轄となっています。